アウトデルタがアルフェッタＧＴをベースにラリー用として開発
したスペシャル・マシーンに、ＧＴＶ８とＧＴＶターボ・デルタがあ
りました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　まず、ＧＴＶ８は１９７５年、モントリオール用のＶ８をベースに
チューニングした３０００ｃｃのエンジンを搭載したモンスターマ
シーンで、２台のみ製作されました。試験的にプロトタイプ（グ
ループ５）として実戦投入されましたが、成果は得られず、結
局この試作モデルで終りました。理想的な重量配分を目的に
トランス・アクスルまで採用していたアルフェッタに、なぜＶ８を
載せたのかは疑問ですが、’モア・パワー’だったのでしょう
か。いかにもイタリア的発想ではありますが・・・　　　　　　　　
　そしてＧＴＶターボ・デルタは、アルフェッタGTVベースのター
ボ・チューンモデルとして１９８０年に登場しました。このモデル
は、規定台数生産によりグループ４のホモロゲーションを得て
そのワークス・ラリーカーはアウトデルタの手によりＫＫＫ製タ
ーボを装着し、約３５０ｈｐにチューニングされたエンジンを搭載
したモンスターマシーンとして５台が製作されました。　　　　　
　１９８０年のＥＲＣ・ＷＲＣ数戦に出場しましたが、結果は初
出場のコスタ・ブラーバ（ＥＲＣ）こそ３位入賞を果たしましたが
その後は初期のターボチューンモデル特有の熱対策に悩まさ
れ、またターボ化による重量増に伴う操縦性の悪化により、目
立った戦績はあげられませんでした。もっとも、アルフェッタの
生い立ちを考えれば、ターボ化による重量バランスの悪化は
最初からわかっていたことだと思うのですが・・・。　　　　　　　
　翌シーズン以降は、アウディ・クワトロ等の次世代マシンが
登場したこと、アルフェッタＧＴＶ自体も新規開発のＶ６エンジン
を搭載した’ＧＴＶ６’にモデルチェンジしたことから、ターボデル
タの開発・熟成は中止されました。　　　　　　　　　　　　　　　　
　これらアルフェッタＧＴＶベースのモンスターマシーン開発は、
満足な実戦結果を得ることなく終り、アウトデルタによるラリー
カー開発は終焉を迎えました。