ＡＬＦＡ　ＲＯＭＥＯ　ｎｅｉ　ｒａｌｌｙ
TITLE：ＡＬＦＡ　ＲＯＭＥＯ　ｎｅｉ　ｒａｌｌｙ
PUBLISHER：Ｅｄｉｔｒｉｃｅ　Ｅｌｚｅｖｉｒｏ
WRIGHTER：Ａｎｔｏｎｉｏ　Ｂｉａｓｉｏｌｉ
YEAR：2012
LANGUAGE：Ｉｔａｌｉａｎ／English
PAGE：160page
PRICE：\7,980
　アルファ・ロメオのラリー車に限定した写真集が刊行されました。サーキットにおける活躍が有名なアルファですが、
１９５０年代終盤からジュリエッタやジュリア、そしてＴＺなどで国内ラリーを中心にモンテカルロやツールド・コルスな
どの国際ラリーにも参戦していました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　マシーンの製作はアウトデルタで行われており、特に１９６０年代中盤以降はラリーに注目が集まり、国内外の各メ
ーカーが積極的に参戦し、ラリーにおける実績が市販車の販売促進にも大きく影響を与えたことから、ＧＴＶを主力に
サーキット仕様のＧＴＡやザガードまでもがラリーで活躍しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　１９７０年代中盤にアルフェッタとアルファスッドが登場するとマシーンはこれらにスイッチされ、イタリア国内戦のほ
かヨーロッパ選手権にもワークス体制で参戦し、数々の戦績をあげました。また、マシーンの開発もアウトデルタで続
けられ、１９７９年にはアルフェッタにターボを搭載したターボ・デルタがデビューし、当時のトップ・レベルのパワーを
持つラリー用マシーンが製作されました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　しかしながら、当時のアルファ・ロメオはモーター・スポーツ活動をＦ１やツーリング・カー・レースに集中することとな
り、さらに国際ラリーにおいてはアウディ・クアトロに始まる４ＷＤ時代を迎えていたため、ターボ・デルタを最後にラリ
ー活動は縮小されました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　国際ラリーの舞台において、イタリアの自動車メーカーの中では選手権を何度も制したランチアとフィアットに隠れて
その活動がほとんど知られていないアルファ・ロメオですが、本書ではマシーンの詳細やドライバー毎の戦績などが
多数の写真と共にまとめられており、非常に読み応えのある内容です。
　掲載写真は今まで見たことのない画像が多く、ワークス仕様以外のマシーンも多数掲載されています。また、アル
フェッタにモントリオール用のＶ８を搭載して１台のみ製作されたプロトタイプ、ＧＴＶ８の詳細についても画像と共に載
っています。もっともこの資料、模型を作る前にあれば良かったのですが・・・
　アウトデルタで製作されたターボ・デルタにも多数のページを割いています。活躍期間が短く、戦績も期待ほどあ
げられなかったマシーンですが、アウトデルタが魂を注いだ最後のラリー・マシーンは本当に魅力的ですね。　　　　　
　ターボ・デルタの後のＧＴＶ６については、ワークス参戦はなく部品供給のみとなったため、目立った戦績を挙げてい
ませんが、本書ではプライベーターの様々な仕様のＧＴＶ６が掲載されています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　中でも、サンドロ・ムナーリがサファリ・ラリーに出場したＧＴＶ６については、下のような画像やテストの様子、出場
の経緯などが綴られており、とても参考になりました。
　元来、へそ曲がりな私はランチアやフィアットよりもアルファ・ロメオのラリーカーに非常に興味があり、キットも多数
所有していますが、本書にはその実車資料が多数掲載されていたので、見つけた途端に即断で購入しました。　　　
　特にピニンファリーナの流麗なクーペ・ボディを纏ったアルフェッタＧＴＶは、数ある中でも一番好きなラリー・マシーン
なので、本書の発刊は本当に嬉しく思っております。そして、今後のキット製作に生かしていきたいと思います。
ＢＯＯＫＳ　ＴＯＰ ／ ＭＥＮＵ