ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）と同様にグローバルカー構想を推進
していたクライスラーは、イギリスにおいてルーツ・モーターズを傘
下に収めクライスラーＵＫとし、フランスでもシムカを傘下に収めて
クライスラー・フランスとしていました。
こうした中で、クライスラーＵＫは、小型大衆車であるヒルマン／
サンビーム・インプの後継車として、１９７７年７月にクライスラー・
サンビームをデビューさせました。ボディ形状は当時の大衆車の
規範である３ドアハッチバックを採用しましたが、機能面は既存の
アヴェンジャー用フロア・ユニットやエンジンを流用したため、オー
ソドックスなＲＷＤとなりました。
クライスラーＵＫでは市販車のイメージアップを図るため、このサ
ンビームをベースとして、当時のラリーを席巻していたフォード・エ
スコートに対抗すべく、ラリー用マシーンを開発する計画が進めら
れました。そして、ホモロゲーション用モデルとしてロータス製ＤＯ
ＨＣ１６Ｖ２１７４ｃｃエンジンが搭載されたサンビーム・ロータスが
市販されました。ワークス・マシーンのエンジンは市販車の１５０
hpに対し２４０hpまでチューンアップされ、１９７９年４月ＦＩＡによる
グループ４認定を受け、ＥＲＣやＷＲＣに参戦を始めました。
この間クライスラーＵＫは、クライスラー本体の経営悪化により、
クライスラー・フランスと共にプジョーに売却され、社名もタルボ
（英国ではタルボット）に改められました。売却後、タルボはプジョ
ーのラリー部門としてサンビーム・ロータスの熟成を進め、１９８０
年はドライバーにＨ・トイボネン、Ｇ・フレクラン等を擁してＷＲＣに
臨み、最終戦ＲＡＣラリーにおいてＨ・トイボネンが初優勝を飾りま
した。翌１９８１年はＷＲＣにフル参戦し、優勝こそなかったものの
上位入賞によりポイントを重ねて、見事マニュファクチャラーズ・タ
イトルを獲得しました。その後、プジョーはグループＢ規定に合わ
せたマシーンを開発するため、１９８１年限りでワークス活動は休
止となりましたが、小型軽量ボディにハイ・パワーエンジンを搭載
したこの車はプライベーターに長く愛用され、時にはワークス勢を
脅かす活躍をみせました。
なお、タルボ独自のグループＢマシーンとして、ホライズンをベ
ースにエンジンをミッド・シップ化した試作車が製作されましたが
プジョーは２０５をベースとした４ＷＤマシーンを開発することとなっ
たため、このプロジェクトは中止となりました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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1979
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SUNBEAM LOTUS Gr.4
SANREMO RALLY No.11 |
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1982
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SUNBEAM LOTUS Gr.2
SANREMO RALLY No.11 |
SUNBEAM LOTUS Gr.2
RAC RALLY No.6 |
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