フィアット１２５は、フィアットの新しいスタンダード・モデルの１２４
の上級版として１９６７年５月にデビューしました。ただし、上級版と
は言っても旧型のフィアット１５００のフロア・パンや足回りに１２４の
ボディ・パネルを極力流用したもので、全長は１２４よりも長いもの
の車幅は狭く、外観やコンポーネンツは中途半端なモデルでした。
しかしながら、エンジンは１２４クーペ／スパイダー用の１４３８ｃｃ
／９０ｐｓツインカム・ユニットを１６０８ｃｃにボア・アップして搭載した
ことから、コンベンショナルな足回りと合わせてスポーツ・ユーザー
に好評を博し、’プア・マンズ・アルファ’として人気を集めました。
その後、１９６８年には１００ｐｓにパワー・アップして５速ミッション
を搭載した１２５Ｓ（スペシャル）が登場し、フィアットはこれをベース
にＦＩＡのホモロゲーション・モデルを製作し、ラリーに参戦しました。
当時のヨーロッパではラリーの人気が非常に高く、各メーカーは
専用モデルを投入してしのぎを削っており、フィアットも１２４スポル
ト・スパイダーと１２５Ｓを国内外のラリーに投入しました。
年々スプリント化していくラリーに対応するため、マシーンは年を
追う毎にパワー・アップが施され、１２５Ｓにも１００ｐｓのグループ１
仕様のほか、ウェーバー製ツイン・キャブ装着や圧縮比アップにより
１４７ｐｓを発揮するグループ２仕様も製作されました。
その後、フィアットのワークス活動は、世界ラリー選手権（ＷＲＣ）
制覇に向けて、１２４スポルト・スパイダーをアバルトに託すこととな
ったため、１２５Ｓによるラリー参戦は終焉を迎えました。
なお、市販車のフィアット１２５も１９７２年、後継車フィアット１３２
の登場により生産が終了しましたが、ポーランド等の東欧諸国では
ノック・ダウン生産が１９９０年代まで続けられたため、国際ラリーの
舞台において、そのラリー仕様の活躍が長らく見られました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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