マートラがクライスラー・フランスと提携関係にあった１９７３
年４月に’実用性に優れた安価なミッドシップカー’として発表
され成功を収めたバゲーラの後継モデルとして、１９８０年に
タルボ・マートラ・ムレーナがデビューしました。この時期マー
トラは、プジョー傘下となっていましたが、ムレーナもバゲーラ
と同様に横３人掛けのミッドシップＧＴという基本コンセプトを
継承し、さらにバゲーラの欠点であったアンダーパワーを補う
べく、ムレーナにはシムカ系のＯＨＶ１５９２ｃｃ／９２ｈｐ(１．６)
とクライスラー系のＳＯＨＣ２１５６ｃｃ／１１８ｈｐ(２．２)が搭載さ
れました。
しかしながら未だミッドシップＧＴとしてのパワー不足は解消
せず、マートラはよりハイ・パワーなモデルの投入を模索して
いましたが、親会社のプジョーが消極的であったことから、デ
ィーラー・オプションとしてチューニング・キット（１４２ｈｐ）を販
売するに止まりました。
一方で、ムレーナ登場時のタルボ・ブランドは、プジョー傘下
におけるモーター・スポーツ部門を担っており、サンビーム・
ロータスでＷＲＣにワークス参戦していました。このため、ム
レーナ(２．２)をベースとしたコンペティション仕様が製作され、
フランス国内選手権ラリーを中心に出場しました。ただし、パ
ワーや熟成不足のため、目立った戦績は残せませんでした。
ムレーナはその後、マートラがルノーと協力関係を結んだこ
とによりアルピーヌＡ３１０と競合することとなったため、１９８３
年で生産を終了しました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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