グループ4ホモロゲーション取得のための量産目途が立たない中、1973年はストラトスのラリーやサーキットでの
熟成を進めるべく、プロトタイプが参戦可能なイベントに数戦出場しました。その中で、9月に行われたツールド・フラ
ンスにおいて、サンドロ・ムナーリのドライブにより見事優勝を飾ったのがこのマシーンです。
この年のツールド・フランスには、ランチア・ワークスとして2台体制(S・ムナーリ/J・C・アンドリュー)で臨みまし
た。イベントはサーキットでのタイム・トライアルやヒル・クライムを含む延べ5,688kmに及ぶラリーで、プロトタイプの参
戦が認められていることから純レーシング・マシーンであるリジェJS2やデトマソ・パンテーラなども参戦していまし
た。ストラトスは2台のうちアンドリューは早々にリタイアしましたが、ムナーリは並み居る強豪を押さえてトップでニー
スに到着しました。
モデルはアレナのレジン・キットを組んだもので、量産型と違ったフロント・マスクやルーフ・スポイラー、リア・ウイン
グなどがとても魅力的なマシーンです。アレナのキットは、このようなプロトタイプを含めてほぼ全ての仕様のストラト
スを網羅しています。このように、ダイキャスト製完成品にはない仕様のマシーンを手にすることができるのも43キッ
トの大きな魅力だと思います。製作にあたっては、タイヤとドア・ノブのエッチング・パーツを他のキットから流用した以
外はストレートに組んでいます。 |