ランチアがフィアット傘下に入って最初のモデルとしてベータは
１９７２年秋にデビューしました。従来のフルビアのようなランチ
ア独自のメカニズムではなく、フィアットの既存コンポーネンツを
利用し、ダンテ・ジアコーザ式ＦＦを採用したいわば高級版フィア
ットとして位置づけられたもので、ファストバック・スタイルのベル
リーナのほか、派生モデルとしてクーペやＨＰＥ、そしてミッドシ
ップのモンテカルロなどが登場しました。
ベータ・ベルリーナに搭載されたエンジンは、フィアット１２４と
同様の直列４気筒ＤＯＨＣで、当初は１．４／１．６／１．８リッタ
ーが用意され、その後１．３や２．０リッターが追加されました。
ただし、ベルリーナには性格上スポーツ・モデルは存在せず、
クーペやモンテカルロのようにレパルト・コルセ・ランチアとしてラ
リーやレースに参戦することはありませんでしたが、プライベータ
ーの手によりアフリカの耐久ラリーに参戦したり、ワークス・ラリ
ー・チームのサポート・カーに起用されるなど、ラリー・フィールド
で意外な活躍をしていたようです。当時の耐久ラリーにはメルセ
デスやプジョー５０４などの高級サルーンが耐久性をアピールす
るために参戦していたので、このベルリーナも同様の意図で参
戦したのかもしれません。
ベータ・ベルリーナはその後、マイナーチェンジを施されながら
１９８１年まで生産されました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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