１９７８年ツールド・コルスに出場した赤いアルピーヌＡ１１０です。ドライバーは地元コルシカ島の有力プライベーター
であるジャン・ピエール・マンザゴールで、プライベーターながら同ラリーにおける過去の実績により、カーナンバー４を
与えられました。赤いボディにジタンのスポンサーが珍しい仕様で、ボディ形状は１９７３年仕様のフレア型フェンダー
であることから、古いワークス・カーの放出車と思われます。マンザゴールはこの５年落ちのマシーンで、フランス国
内選手権に参戦していました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　この年のツールド・コルスには、フィアット＆ランチア、ブリティッシュ・レイランド、そしてオペルがワークス・チームと
して参戦しましたが、地元フランス勢はプライベーターのＡ１１０＆Ａ３１０がルノー・アルピーヌのサポートにより出場し
たに止まりました。ラリーはフィアット勢同士の争いとなりベルナール・ダルニッシュの１３１アバルトが優勝を果た
しましたがフランス勢はまったく奮わず、マンザゴールのＡ１１０もデフ・トラブルによりリタイアに終わりました。　　　　
　モデルはプロバンス・ムラージュのレジン・キットを組んだものです。製作にあたってはフロントの補助灯やドアノブ、
ミラーなどを切り離し、別パーツ化しています。ウインカーやリア・ランプも透明レジンに置き換え、ディテール・アップを
施しました。Ａ１１０というとメタリック・ブルーやフレンチ・ブルーのワークス・カーが定番ですが、こんな仕様も新鮮で
良いですね。