初代ゴルフは、フォルクスワーゲンの代表車であるビートルの
後継車として１９７４年５月に登場しました。ひと足先にデビュ
ーしていたクーペ・モデルであるシロッコのコンポーネンツにジ
ウジアーロ・デザインの３／５ドア・ハッチバック・ボディーを採用
したゴルフは、優れたパッケージングと性能が人気を博し、世
界的ベストセラーカーとなりました。
１９７５年には、ホットバージョンとしてゴルフＧＴＩがラインナッ
プに追加されました。ＧＴＩには直４ＳＯＨＣ１５８８ｃｃユニットが
搭載され、ボッシュ製Ｋジェトロニックによりノーマルで１１０ｐｓ
を発揮し、軽量小型ボディとパワフルなエンジンの組合せは正
に’ホット・ハッチ’と呼ぶに相応しいマシーンとなりました。
ゴルフＧＴＩは、デビュー直後から様々なモータースポーツに
用いられ、１９７６年１１月にはＦＩＡのグループ１ホモロゲーショ
ンを取得し、国際規格のレースやラリーに参戦を始めました。
ラリーにおいては１９７７年のドイツ国内ラリーにグループ１仕
様（１１６ｐｓ）で参戦しました。ワークス・ドライバーには後にオ
ペル・ワークスで活躍するＪ・クラインを起用し、上位入賞を果た
すなど活躍が見られました。
また、ＧＴＩ用ではなくベーシック・モデルLSの１４７１ｃｃエンジ
ンをベースにボア・アップ（１５８８ｃｃ）やインジェクション化によ
り、１６８ｐｓを発揮するグループ２仕様も製作されました。この
モデルは１９７５年１月にホモロゲーションを取得し、ＷＲＣ（ゴ
ルフ）やＥＴＣ（シロッコ）などの国際舞台を中心に活躍し、上位
入賞やクラス優勝を飾るなど、期待通りの戦績をあげました。
ところで、当時フォルクスワーゲンのモータースポーツ部門で
あったＶＷモトールシュポルト社の活動は、直接レースやラリー
への参戦はあまり行わず、プライベーターのサポートが中心で
した。一方、若手ドライバーの育成には熱心で、ドイツやフラン
スにおいて、ディーラーのサポートによるゴルフＧＴＩのワンメイ
ク・レースが盛んに行われました。
ゴルフＧＴＩは、モータースポーツにおける活躍により非常に人
気を博し、ゴルフの重要なライン・アップとなりました。１９８３年
にゴルフⅡへフル・モデルチェンジされた際にもＧＴＩは引き継が
れ、その後、１９８５年にはエンジンのＤＯＨＣ化が施されてＧＴＩ
１６Ｖに、さらに１９９０年にはスーパーチャージャーとインターク
ーラーを備えたＧ６０に発展しました。いずれのモデルもラリー
参戦に積極的に用いられ、特にＧＴＩ１６Ｖは１９８６年ＷＲＣに
おいてグループＡクラス優勝を果たしています。
ゴルフの’ホット・バージョン’として現行型でも人気の高いＧ
ＴＩですが、最近のモデルはＷＲＣなどのモータースポーツでの
活躍がほとんど見られず、ちょっと寂しい気がします。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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