フィアット１２７は１９７０年、１２８に続くフィアット２番目のＦ
ＷＤモデルとしてデビューしました。駆動方式、足廻り等は
１２８を踏襲し、エンジンをフィアット８５０譲りのＯＨＶ９０３ｃｃ
とした１２８よりひとまわり小さなモデルです。この車について
も１２８と同様にパイロットモデルとして、アウトビアンキ社か
らＡ１１２が先行発表されています。
１２７はその後、エンジンバリエーションに４気筒のＳＯＨＣ
１０４９ｃｃ（５０ｈｐ）モデルが追加され、さらにこのエンジンを
７０ｈｐにチューンし、足廻りを強化した１２７スポルトが１９７７
年にデビューしました。当時はモータースポーツの入門用と
して、小型でパワーのあるモデルが人気を博していたことか
らスポルトが追加されました。
スポーツ・モデルとしてはスポルトのほか、フランス・フィア
ットの要請により、このモデルをベースにアバルトがさらに手
を加え、７５ｈｐを発揮するエンジンを搭載したコンペティショ
ン・モデルである１２７アバルトが製作されました。
フランスではこのマシーンによる女性ラリードライバー育成
のためのワンメイク・ラリーが開催されるなど、若手ラリードラ
イバーの育成に貢献しました。
また、当時フィアット・グループであったスペインのセアト（現
在はＶＷグループ）からもセアト１２７アバルトというモデルが
販売されました。ただし、こちらは旧型のＯＨＶ９０３ｃｃエンジ
ンを５４ｈｐにチューンしたもので、本家フィアットのものとは異
なるモデルでした。
１２７はアバルトの活躍等により好調な販売実績を続け、
数々のボディバリエーションを増やしながら１９８３年に後継
車ウーノがデビューするまで生産が続けられました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
|
|
1978
|
127 ABARTH/Gr.2
TOUR DE CORSE No.51 |
127 ABARTH/Gr.2
QUEBEC RALLY No.18 |
|
1979
|
127 SPORT/Gr.1
ELBA RALLY No.32 |
|
1981
|
127 ABARTH/Gr.2
SAFARI RALLY No.48 |
|
|
|