ボルボ１４０シリーズは１２０の後継車として１９６６年夏にデビュ
ーしました。１２０シリーズの丸みを帯びたスタイルから一転し、ス
クエアなボディを纏った１４０シリーズは、その後のボルボのアイデ
ンティティとなりました。一方、パワートレーンは１２０シリーズを踏
襲し、ブレーキの２重系統＆４輪ディスク化などの安全装備の充実
が図られました。
ボディ・バリエーションは、２ドア・セダン（１４２）、４ドア・セダン
（１４４）、そして５ドア・エステート（１４５）がラインアップされ、エン
ジンも１２０シリーズ譲りの４気筒ＯＨＶ１．８リッターから、１９６８年
には２．０リッターに換装され、シングル・キャブ／８２ｐｓのノーマル
とツイン・キャブ／１００ｐｓのＳが用意されました。
１９７１年には、インジェクション装着により１２４ｐｓを発揮するＧＬ
が追加され、対米輸出用のビック・バンパーを採用するなど、国内
外で順調に販売を延ばしましたが、１９７４年８月にデビューした後
継車である２４０シリーズに後を譲り、生産中止となりました。
一方、ボルボはスポーツ・イメージを高めるため、古くはＰＶ４４４
／５４４時代から国際ラリーに参戦し、主に北欧や英国におけるラ
リーで数々の勝利を挙げ、１９５８・１９６２・１９６３年にはヨーロッ
パ・ラリー・チャンピオンを獲得しました。
その後の１２０シリーズにおいても１２２Ｓで参戦を継続して好成
績を挙げ、１４０シリーズでは２ドア・セダンの１４２Ｓによる参戦が
続けられました。ドライバーにはマルク・アレンやハンヌ・ミッコラな
ど’若きフライング・フィン’が起用され、地元の利を生かした１９７３
年ＷＲＣ１０００湖ラリーではアレンが２位に入賞し、侮れない活躍
をみせました。しかしながら、オイル・ショックを契機にボルボはラリ
ー活動を中止し、その後は北欧ラリーを中心としたプライベーター
のサポートのみとなりました。
そのような状況の中、１４２Ｓは１９８０年頃まで若手北欧ドライバ
ーに愛用され、後にＴＴＥで活躍したエリック・トルフやマッツ・ヨンソ
ンもドライブしました。
同じスウェーデンの自動車メーカーでグループ２／４時代のＷＲ
Ｃに継続参戦したサーブと違い、２４０シリーズ以降はラリー活動を
取り止めたボルボですが、’フライング・フィン’の育成に無くてはな
らない存在でした。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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1971
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VOLVO 142S/Gr.2
SAFARI RALLY No.29 |
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1973
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VOLVO 142S/Gr.2
1000 LAKES RALLY No.5 |
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1973
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VOLVO 142S/Gr.2
1000 LAKES RALLY No.29 |
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