デ・トマゾ・パンテーラは、’廉価版エキゾチック・カー’
としてフォードの要請により企画され、１９７０年にデビュー
しました。 ジャン・パオロ・ダラーラの設計したシャーシに
フォード製の水冷Ｖ型８気筒ＯＨＶ ５７６９ｃｃ／３１０ｐｓ
’クリーブランド３５１’ユニットをミドシップに搭載し、ＺＦ製
の５速ミッションが組み合わされました。なお、欧州フォー
ド製のエンジンを搭載した試作車も製作されましたが、
市販には至りませんでした。
ボディについては当時デ・トマゾ傘下だったギアが担当し
大量生産を前提にしたシンプルなデザインながら、美しく
まとまっており、フォードＧＴ４０の直系と謳われました。
デビュー後はフォード系ディーラーの販売網により、この
手の車としては異例の年間１０００台以上が販売され、
１９７２年には改良版のパンテーラＬが登場しました。
翌１９７３年にはキャブレターの変更やエンジンのチュー
ニングにより３５０ｐｓにパワーアップされた高性能版ＧＴＳ
が登場し、この車をベースにＦＩＡのグループ３／４仕様の
競技用マシーンも製作されました。
グループ３仕様についてはＧＴＳをベースに３８０ｐｓまで
パワーアップが施されました。一方、グループ４仕様につ
いてはシャーシやサスペンション、ブレーキをさらに強化し
エンジンは５００ｐｓを発揮するモンスターに変身し、ボディ
にもオーバーフェンダーが装着されました。
これらのホモロゲーション・モデルは、ル・マン２４時間等
の耐久レースやツールド・フランス、ジーロ・ディイタリア等
のイベントに参戦し、好成績を挙げました。しかしながら、
折からのオイル・ショックの影響により市販車の販売数が
大幅に減少したことからフォードはパンテーラの販売から
撤退し、その後はデ・トマゾの手により細々と生産＆販売
が続けられました。
ホモロゲーション・モデルについては、グループ５／シル
エット・フォーミュラーによる世界選手権が制定されると
グループ４をベースにマシーンが製作されましたが、プライ
ベート・チームによる参戦であったため、ポルシェなどの
ワークス勢には歯が立たず目立った戦績は挙げられませ
んでした。
車の素性は良かったにも関わらず、モータースポーツに
積極参戦する機会の無かったパンテーラですが、市販車
についてはモディファイを加えられながら、１９９０年まで
生産が続けられました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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1974
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PANTERA GTS/Gr.4
GIRO D'ITALIA No.456 |
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1976
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PANTERA GTS/Gr.3
MONTECARLO RALLY No.43 |
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1978
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PANTERA SILOUETTE/Gr.5
GIRO D'ITALIA No.510 |
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1979
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PANTERA SILOUETTE/Gr.5
GIRO D'ITALIA No.591 |
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