ルノー１７はルノー１２をベースとしたスペシャリティーカーとし
て姉妹車のルノー１５と共に１９７１年７月デビューしました。
シャーシ・コンポーネンツはＲ１２と共通のＦＦですが、Ｒ１７は
Ｒ１５に比べてよりスポーティーな仕様となっており、ボディはリ
アサイドを窓からルーバーに変更してクーペ・スタイルを強調し、
高性能バージョンであるＲ１７ＴＳには、Ｒ１６ＴＳに搭載されてい
たゴルディーニ製クロス・フロー・ヘッドを持つエンジンの圧縮比
を高めてインジェクションを装着し、１５６５ｃｃ／１０８ｐｓにチュー
ニングのうえ搭載されました。
その後、１９７５年には最強バージョンとしてＲ１２からゴルディ
ーニの称号を引き継いだＲ１７ゴルディーニがデビューし、これ
には１６０８ｃｃにスープアップ＆チューニングを施したエンジンが
搭載されました。
この頃のルノーは、市販車のイメージアップを目的として積極
的にラリー参戦を行っていました。しかしながら、参戦マシーン
の主力はモデル末期のアルピーヌＡ１１０であったため、市販車
の販売促進に繋がらないことから直接セールスに結びつくモデ
ルとして、Ｒ１７ゴルディーニによるラリー参戦が計画されまし
た。このあたりの事情は、ランチアにおいてベータ・クーペによ
るラリー参戦が計画されたのと同様の理由です。
ワークス仕様のＲ１７ゴルディーニには、１６０８ｃｃ／１６０ｐｓに
チューニングされたエンジンが搭載され、１９７４年サファリ・ラリ
ーにおいてＷＲＣに初参戦しましたが、ルノー＆アルピーヌにと
って経験のない非常に過酷なサバンナの悪路に阻まれ、残念
ながらリタイアに終わりました。しかしながら、アメリカで行われ
たＷＲＣプレス・オン・レガードレスでは、トップでフィニッシュし
たフィアットのＭ・アレンのペナルティーに助けられて、Ｊ・Ｌ・テリ
エが優勝し、同僚のＪ・Ｐ・ニコラも３位となる好成績を挙げ、さら
にツール・ド・コルスでは総合８位・グループ２クラス２位となる
など予想外の成果を挙げました。
翌１９７５年のＷＲＣ初戦モンテカルロにおいても総合５位・グ
ループ２クラス優勝を飾りましたが、非力なＦＦ車では総合優勝
は狙えず市販車のイメージ・アップに繋がらないことから、Ｒ１７
ゴルディーニによるワークス参戦は、この年のサファリを最後に
中止となり、その後はプライベーターによるローカル・イベント参
戦に限られました。
なお、市販車のＲ１７は１９７７年にゴルディーニが消滅し、ＴＳ
ほかのグレードについても１９７９年生産中止となりました。 |
ＧＡＬＬＥＲＹ
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1973
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R17 TS Gr.2
BANDAMA RALLY No.5 |
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1974
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R17 GORDINI Gr.4
SAFARI RALLY No.17 |
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1975
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R17 GORDINI Gr.2
MONTECARLO RALLY
No.20 |
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